4階病棟 T.O

昨年の今頃、先輩方の発表を聞かせて頂き、これからどんな事が待っているんだろう、自分は頑張れるか不安に思ったのを覚えています。
入職した頃は、「何がわからないのか」さえも解らないくらい解らないことばかりで、こんな状態で患者様の所へ行っていいのかすごく不安でした。看護師の免許取得後に、保健師の養成学校へ進学した分、1年間違う勉強をしていたため、医療・看護の基本的な知識を忘れているのではないかということも不安要素の一つでした。
時間がたつごとに少しずつ病棟のことや疾患のことがわかるようになり、受け持たせて頂ける患者様も安定した患者様から重症の患者様まで先輩の力をかりながら業務をさせて頂くようになりました。その頃に、ターミナルの患者様で主治医より家族に死期が近いことをMTされた方を受け持たせて頂きました。苦しさのため、体動も激しく点滴を自己抜去されるため、両上肢を拘束している方でした。徐々に状態が悪化し、レベルも下がり体動も少なくなった頃に、ふと拘束されている患者様に気付き、拘束を解除しました。家族より「ほどいたらいけないかな、と思っていました。ありがとう。」と言われ、患者様の意識レベルや疾患のことばかり目がいき、患者様の全体を見ることができていないことを思い知らされました。ターミナルでは患者様らしい死期を迎えられるよう援助することも看護師の役割の1つですが、気持ちに余裕がなく配慮できなかったことに後悔しながらエンゼルケアをさせて頂きました。重症の患者様を受け持たせて頂いてるということで、先輩方も声をかけて頂くなど気にかけて頂き、業務終了後に不安な気持ちや拘束を解除した時のことなど自分の気持ちを聞いて頂きすごく救われました。
プリセプターの庄子さんは、なかなか勤務が一緒にならない時も気にかけて下さり、私がミスをした時には、どういう場面で、どう思って行動したのかを確認しながら、どうすればミスを防ぐとこができたのかを一緒に考えて下さり、次の行動へ繋がるようアドバイスを頂きました。
K師長さん、K主任さんをはじめ、4階病棟のスタッフの皆様には何も解らない私に丁寧に指導して頂き、ミスをフォローして頂くなどご迷惑を多々おかけしたと思います。1年間頑張ることができたのも4階病棟の方達の支えがあったからこそだと、感謝しています。プリセプター委員会でお世話になった0師長さん、S主任さんには毎月の反省の聴いて頂き、病棟とは違った視点でアドバイスをたくさん頂きありがとうございました。また、委員会で同期のスタッフの話を聴くことも励みになりました。
まだまだ知識も経験も少なく、自分の力不足を実感して落ち込んだり、患者様の命に関わる場面で責任の重さに押しつぶされそうになることもありますが、患者様の笑顔や元気に退院していかれる姿を見ることにやりがいを感じています。患者様に関わる1つ1つの場面を大切にして、2年目も頑張っていこうと思っています。


プリセプターを終えて

4階病棟 A.S

突然プリセプターをしてね、と言われもう1年が過ぎました。私自身、プリセプター制度に関わったことが無く、また自分に自信がない人間のため、本当に私で良いのだろうかと悩んで来ました。どんな子が来るのかとドキドキしながらのT.Oさんとの初対面。笑顔が可愛らしい「いまどきの子」といった感じでした。人懐っこい印象で随分ホッとしたのを覚えています。T.Oさんはいつも患者さんに優しく、決して声を荒げる事無く丁寧な対応される方で、忍耐の無い私はそんなT.Oさんを見て反省をする事も多かったです。
先輩方が指導されても、いつも笑顔で聞き入れられ、辛い事があっても決して人には見せないT.Oさん。「この子は少々怒られても堪えない。逆にちゃんと心に留めていてくれているのかしら」等と勝手にT.Oさんと言う人格を、自分の中に作っていたと思います。
仕事が早く、あまり不安を口にされない事等も要因としてあったと思います。
半年が経つ頃に面談をした時の事、初めはいつも通りの会話をしていたのですが、徐々にT.Oさんの目が真っ赤になり、ポロポロ泣き出してしまいましたね。確か、今何か辛いことがあるか、と言う事と、初めて患者様の臨終に立ち会われた時のことを話していた時だったと思います。その時すごくショックを受けたのを忘れられません。いつも笑顔でいるその裏で、新人さんが当たり前に感じる不安や悩みに傷ついていた事に、その時初めて気付かされたように思います。そして、笑顔でいる人程、気遣いが遠ざかり抱える物が見過ごされてしまうという事を学びました。また、そんなに時間が経って、ようやくT.Oさんの心に目が向いていなかった自分に気づき、言葉では言い表せない程のショックと自己嫌悪に陥りました。
そして今だから言いますが、実はその時、私も泣きそうでしたが、先輩NSという変なプライドでなんとか我慢しました。そんな事があってから、普通の世間話でもT.Oさんは涙を見せるようになりましたが、以前より会話もするようになり、お互いの距離が近くなったように思います。1年を振り返り、私はT.Oさんにとって、一体どんなプリセプターまたは人間だったかな、と思います。随分頼りない先輩で申し訳なく思います。私でなく、もっと人を指導するに相応しい人間が、T.Oさんの指導にあたったなら、もっともっと成長できたのではないかとも思います。世間には反面教師と言う言葉も存在するので、恐らく私はそのような存在だったのではないしょうか。これから2年目になられるにあたり、T.Oさんには、優しくホッとできる様な笑顔を忘れずに。患者さんの味方となり人の心に寄り添える看護師であって欲しいと思います。技術は経験を重ねれば取得できます。ですが、そういった心は年数を重ねる毎に忘れがちになるのではないかと感じるからです。
そして、患者様ばかりでなく、自分も大事にして下さい。分からない時、不安な時、もっと頼って、甘えても良いんです。先輩方もそうして今の姿があるんだから。プリセプターはこれで終わりですが、私はこれからもT.Oさんの味方です。泣きたい時は、今度は一緒に泣くつもりです。
最後に、この私をプリセプターにと決めて下さった勇気あるご決断、今までご指導・ご協力下さったスタッフの皆さん、こんな頼りない私を頼ってくれたT.Oさん、本当にありがとうございました。